Point of Contact – 接点 TAKURO SOMEYA contemporary art(東京) 2007.4.21 – 5.27 30の白熱灯のための接点 2007 / サイズ可変 / Mixed Media 18の白熱灯のための接点 2007 / サイズ可変 / Mixed Media 14の白熱灯のための接点 2006-2007 / サイズ可変 / Mixed Media 接点小作品/Point of Contact Small works(12 works) Photo:成田義靖 Photo:成田義靖 Photo:幕内政治 Photo:幕内政治 Photo:成田義靖 Photo:成田義靖 Photo:幕内政治 Photo:幕内政治 Gallery Reviews/東京エリア 成相肇(府中市美術館) 『美術手帖』2007年7月号 壁面にしつらえた円形の大きな装置に、タイマーによって自動でスイッチが入る。先端に銅線をつけたアルミ製のアームが円の内径をゆっくり回転しはじめると、円と銅線の接点に青白い火花が散ると同時に、装置の横にずらりと並んだ裸電球が点灯する。銅線と円が接している間だけ、電球に電気が流れる仕組みだ。構造を露にした無骨な装置がいくつもおかれたギャラリーはさながら鉄工所めいて、焦げくさい臭気と熱気がむっとたちこめていた。 「簡単に言えば、大げさなスイッチです。」電流が機械を作動させる、その様子だけを見せるというじつに無駄な目的のために、余計な解釈が介入しないように細心の注意を払って無駄なく設計された装置。スイッチのためのスイッチ。 ワニがただ回転する、プラモデルがただ粉砕される、旗がただ音を立て続ける……。これまで「ただそれでしかない」ナンセンスな作品を生み出してきたタムラの態度は一貫している。「電流がただ流れる」―あまりに日常的な、作者の手を介していない素材が主語に捉えられたことで、そのナンセンスはいっそう際立った。 タムラの仕事をめぐっては、このバカバカしさばかりが注目されすぎたきらいがあるが、作品の語る意味の矛先をひたすら自己の回帰させて完結させるそのやり方が、論理学的な知性に関わっていることは忘れてはならない。映像にしろ機械にしろ「〜している…が、〜している」というトートロジーのためにタムラが常に動き―言語学でいう「態(ボイス)」―を扱いながら問題を純化させてきたことは、もっと注意されていい。 単純なことを大掛かりな装置によってあえて迂回する見せ方は、フィッシュリ&ヴァイスの映像作品《事の次第》を連想させようが、不可逆的に進行していくそれとは違って、タムラは延々と続くループを強調する。つまり、内のみで外がない。それは喩えるなら、種を明かしたまま行う手品だ。滑稽でしかもストイックなその姿を舞台の外から眺める私たちは途方に暮れるほかないが、自ずとこちらに芽生えてくる不気味な内省の気分を、笑ってごまかすだけではすまないだろう。 ART iT PICKS/白坂ゆり『ARTit 』15号 No Tatami Spot The Party <新ギャラリーQ オープン企画展> 最近の展覧会展覧会一覧 path-connected 無目的な機械 AIMLESS MACHINE Domain of Art 32 プラザノース開館15周年記念展タムラサトル Hi, Kumi. Hi, Mike. ART Gallery FREUDE by BMW – CONNECTED THROUGH TIME ワニの90回目のバースデーパーティーへ行こう Sydney Contemporary 2023